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私は、ソフトウェアエンジニアとして特にユーザビリティということにこだわってモノづくりをしてきました。特にiPhone登場以降、ユーザーインターフェースとかユーザビリティということに注目が集まるようになりましたが、それでもまだユーザビリティを重視しないプロジェクトも多いように思います。

ユーザーインターフェースやユーザビリティにコストをかけることによって、利用者にメリットがあるということは理解してても、コストがかかる割には開発する自分たちのメリットが少ないと思っているせいでしょうか。そんなことはありません。「優れたユーザーインターフェースは開発コストを下げる」のです!


優れたユーザーインターフェースは組み合わせを減らす

操作性を考えずに「とりあえず動けばいい」と考えて作られた画面には、やたらとボタンが並んでいて状況や文脈に関係なく操作できるものが多々あります。

「操作できないものは表示しない」「ボタンじゃなくて、チェックボックスやラジオボタンなど適切なUIパーツを使う」

こういった配慮をするだけで操作の組み合わせを減らすことができ、組み合わせを減らすことができれば、テストケースを減らすことができます。つまり、テストケースが減るので「検証コストが減る」のです。

また、組み合わせの中にはエラーとなるケースも含まれます。エラーが発生するのですからその対処が必要。エラーが発生した時の文言を考えたり、通知するための表示を実装しなければなりません。

不必要な組み合わせをなくすことで、エラーケースが減れば「エラーメッセージを考えたり、通知の仕組みを実装するコストが減る」のです。



優れたユーザーインターフェースはメンテナンス性が高い

優れたユーザーインターフェースを目指せば、自ずと事前の設計がしっかりしてきます。仕様が変わったり機能が追加になった場合でも、どのような変更が必要かが見えやすい設計となるのです。

逆に適当な作り込みをしていると、その後のメンテナンスでもツギハギになり、あげくのはてに「スパゲッティコード」になってしまい、いつかは全面的な作り替えが必要になります。

優れたユーザーインターフェースを目指して、設計段階に時間をかければ「既存コードの再利用性が高まり、バージョンアップ時のコストが減る」のです。


優れたユーザーインターフェースは言い訳を減らし宣伝効果を上げる

使い勝手の悪いソフトウェアは、カタログ・取り扱い説明書が言い訳だらけになります。言い訳はバージョンアップを重ねるごとにどんどん増えます。元々操作性の悪いものに機能を追加しているのですから、機能は増えるけど操作性は悪いままだからです。

優れたユーザーインターフェースであれば「言い訳を考える時間やそれを印刷するコストが減る」のです。

また「操作が分かりやすい」「使って楽しい」これだけでメディアは取り上げてくれますし、利用者の間でもクチコミで伝わります。

優れたユーザーインターフェースであれば、「ユーザーインターフェースそのものに宣伝効果があり広告宣伝費が減る」のです。


最後に

現場の方からは「そんなこと言われなくても分かってるよ、できれば苦労しない」と言われてしまいそうですが、むしろ必要なのは決裁権限者を説得するための「優れたインターフェース」なのかもしれませんね。 :-P