前回書いた、「Think UI : 片手での画面拡大・縮小操作」で「この操作方法には不満がある」と書きました。

それは、

この操作方法は、次の2つのステップで成立していると言えます。 1.ダブルタップの2回目で指を放さない操作で、拡大縮小モードにしている。

の部分です。

もちろん、ダブルタップの2回目でボタンを放さないようにする操作そのもの難しさはあります、ダブルタップの2回目で拡大したい部分に指が置けるか?というのは結構難しい。

ですが、一番不満なのは「使う人間がモード切り替えを意識しないといけない」という点です。そういう意味で、ピンチイン・ピンチアウトという操作は優れています。

ピンチイン・ピンチアウトが優れている理由

画面上に二本の指を置いてつまむように指を近づけると縮小、広げるように指を離すと拡大、これがピンチイン・ピンチアウトという操作です。「ピンチ」とは英語で「つまむ」という意味。

地図やブラウザ等で、一本指で操作すると画面のスクロール、二本指でピンチイン・ピンチアウトすると拡大・縮小、この操作はもう一般的になっていると思います。実は一本指で操作するか、二本指で操作するかを使い分けている時点で、無意識のうちにモードを切り替えているのですね。

ですが、操作方法があまりにも自然で、モード切り替えを意識しなくていいので利用者はそのモードきりかえが苦にならないし、自然と覚えることが出来るのです。 「ダブルタップの2回目で指を置いたままにする」は操作として自然ではないですし、その上に操作が難しい。利用者が明らかにモードの存在とその切替方法を意識しないと出来ないのです。

モードを利用したユーザーインターフェースの例

一方で、世の中にはあえてモードを利用者に切り替えさせることで誤操作を防ぐことができているユーザーインターフェースもあります。その例として、電気ポットのお湯を注ぐ時の「ロック解除」ボタンです。

[caption id=”attachment_104” align=”alignnone” width=”238”]象印のポットの取扱説明書からの引用です 象印のポットの取扱説明書からの引用です[/caption]

電気ポットの場合、うっかり「給湯」ボタンを押してしまって火傷することを防ぐために、「ロック解除」というモード切替操作をしなければお湯が出ないようにしているのです。これはモード切替をうまくユーザーインターフェースに取り入れた例です。

モードは存在するが、モードを感じさせないのが良い

多数の機能が備わった機器やアプリケーションには、どうしても「モード」というものが存在し、これを避けることはできません。ボタンやメニューで「モード」を切替ながら操作していく必要があるのです。このモードの存在が意味がわかりやすく、またその切替をユーザーが自然に受け入れられる操作を導入していくことが必要なのではないかなと思います。そういう意味で、「Think UI : 片手での画面拡大・縮小操作」で書いたユーザーインターフェースには不満が残るのです。

モードの切替を利用者に意識させない、利用者が自然に受け入れられるユーザーインターフェースが良いユーザーインターフェースの要素の一つ

と考えています。