子育てアプリハッカソン

奈良県生駒市で開催されたCODE for IKOMA主催の「子育てアプリアイデアワークショップ」に続き、このアイデアワークショップで出たアプリのアイデアを具体的な形にする「子育てアプリハッカソン」に参加しました。結果は、なんと「優秀賞」(最優秀賞に次ぐ第二位)という名誉ある賞をいただくことができました(パチパチパチパチ)。

まず、アイデアの見直しから始まりました

今回、私たちのチームが提案したアプリは「ママのための予定調整カレンダーアプリ」。 予定がいっぱいの忙しいママを助けるために、「より適切な空き時間をアドバイスして、子育ての合間時間を有効に使ってもらえるものにしよう」というものでした。

しかし、アイデアワークショップから一週間経過し、具体的なアプリの形に落としていこうとした時、チーム内の女性陣から「なんだか、ビジネスっぽいよね」という声が上がりました。女性のみなさん曰く、「ママは予定表に時間単位で予定なんていれない」「自分の予定をもっと簡単に入れられる方がいい、アイコンを貼り付けて終わりぐらい」というのです。

確かにその通りです。そもそも、こまめに予定を入力する方なら自分の空き時間も把握しているはず。だとすると、「マメに予定を入力する」けど「空き時間の管理ができていない」は矛盾するのです。ここから、アイデアの練り直しが始まりました。 元々このアプリが解決しようとしていた課題「忘れたを減らし、手間を減らして、おでけかけの機会を増やす」ここを変えずに、子育てママが困っている課題は何か?どうしたら子育てママの役に立つものになるのか?この視点でアイデアを練り直しました。

混迷を極めた午前の2時間

チームには、お子さんのいらっしゃる女性が2名と、子育ては卒業している年代の男性2名、それと私。 時には既存のアプリのアイデアに落ちそうになったり、より具体的なアイデアの深みにハマってアイデアの根本を見落としそうになったり、ああでもない、こうでもないと議論は進みました。そして気がつけばお昼の12時。 10時から16時30分の6時間30分で形にしなければならないのに、すでに2時間を消費しています。 この時には、私はややモチベーションを失いつつありました。

しかし、見えたのです、このアプリに必要なものが! 2時間の議論の中で出てきた小さな言葉の切れ端を集めてみると、ママたちは予定が空いてるからとか、天気が良さそうだからとかいったことで予定を決めるのではなく、「ママたちは仲良しママ同士でお出かけするのが好き」だということが見えてきたのです。 この考え方と、元々の予定調整機能から、他の子育てママと一緒にイベント参加しやすくなるアプリにしようということに決まりました。

手描きだらけのプロトタイプとプレゼンテーション

このアイデアを具体的な形にして発表するため、アプリのイメージがわかるプロトタイプと、発表用のプレゼン資料を作らなければなりません。

まずは、プロトタイプ作成です。 事務局で用意してくださったプロトタイピングツール(スマートフォンで動く紙芝居が作れるアプリ)で作った方が簡単にできますが、上位を狙うには、やはりそれなりにアプリとして動いているものの方が有利。時間が限られているので、私がHTMLで実際に動くものにトライしつつ、他のメンバーはプロトタイピングツールで紙芝居を作るという二方面作戦をとりました。 が、それもつかの間。やはり全体のディレクションを誰かがやらなければまとまっていかないことがわかり、アプリ紙芝居一本で行くことに舵を切りました。

紙芝居を作るためには、アプリの画面が必要になりますので、まずはこれを手描きで作成しiPhoneで撮影して取り込んでいきます。その後、取り込んだ画像を並べ、画像のどこが押されたらどの画像に切り替わる、という設定を作りこんでいきます。 絵を描いてくださったのは女性メンバーのお二人。アイデアの練り直しから形にするところまで、幅広く活躍してくださいました。

アプリの基本的な動きができたら、次はプレゼン資料です。 こちらは、Macのプレゼンアプリ(キーノート)を使ってやるつもりだったのですが、どうもしっくりこない。 前回のアイデアワークショップで模造紙に描いたポスター、この手描きの温かい感じが自分の中で「子育てママ」を表現できていた気がして、リーダーのわがままによりプレゼン資料も急遽手描きにすることに。 この時点で残り2時間を切っていました。

発表時のプレゼンは私がやることになっていましたので、「1枚目はこんなスライドにして」「2枚目で言いたいことはこれ、こんなイラストを入れて」などイメージを伝えつつ、それをWebデザイナーさんに絵にしていただきました。 資料だけではつまらないので、ちょっとした寸劇を間に交えたプレゼン案が完成。なんとか発表時間に間に合いました。

本来ならPCを開いてガシガシとプログラムを書くのがハッカソンなのですが、私たちのチーム内でPCを持ってきていたのは、Webデザイナーさんと私だけ。それらも、ほとんど活用することはなく、発表の時間を迎えました。

感動の審査発表

5チーム中3チームが入賞となりますので、残り2チームに入るのは少し寂しい。なんとか、食い込みたい!とは思っていましたが、正直なところ結果に自信はありませんでした。3位のチームが発表された時には「あのチームで3位ならうちはないな」と思っていましたので、優秀賞(2位)の発表でチーム名が呼ばれた時には本当に驚きましたし、嬉しかったです。

審査員の方の講評によると、ママの気持ちに寄り添う方向でアイデアを見直したこと、プレゼンで熱く語ったところが評価されての受賞ということで、元々情熱枠から始まったことを思えば、アイデアそのものとプレゼンが評価されたことは、私としては大変嬉しい結果でした。 また、審査員のメンバーではなかったのですが、生駒市の副市長さんから「ポイントを絞ったのがよかった」とのコメントいただき、「ポイントを絞る」というのも自分の中で大切していたことだったこともあり、この評価もまた嬉しいものでした。

ハッカソンを振り返って

今回のハッカソンを通じて感じたのは、やはり出自の異なる人が集まって一緒に活動することの難しさでした。 それぞれ、職種も経験も違えば、現在の立場や状況も違う。そういう方々が集まって意見交換をすると、あちらを立てればこちらが立たず、収束させるのが難しくなります。今回、そういう意味ではかなり大胆に意見集約をさせていただきました。 もちろん、そういった方々が集まってアイデアを出し合うのがハッカソンの良さですので、このバランスは本当に難しいところです。しかし、そういった経験をみんなが経ることで、この輪が大きくなるのだと思います。

また、今回のハッカソンではPCの台数が少なかったのも印象的でした。普通は、自分のPCを持ち込んで「さぁガッツリ作るぞ!」というのがハッカソンのイメージですが、非エンジニア系の方も多く、PCを持ってきていない方も多くみられました。 そういった方の参加が多かったからこそ、子育てに関する具体的なアイデアをまとめることができたという面もあったと思います。

今回は、アイデアとプレゼン力で勝ち取った入賞(だと思っている)でしたが、次回はエンジニアとしての本来の力を発揮して、ぜひ一番良い賞を取りに行きたいと思います。